ホオノキ(朴の木)「モクレン科」 落葉樹  高さ:15〜20m  太さ:60〜80cm   花時期: 6月 生育場所:山地    戻る
  分布:北海道,本州,四国,九州   学名:Magnolia obovata Thunb.  
日本の木の中で、葉と花が一番大きい。 開花した大きな花、良い香りがする。 樹高が高く花を近くで見る機会がありませんので不思議な花の解説 ↓
<写真にポインター当てると詳細図示>
 ↑開花1日目だけ花は雌花として活動。 甘い香りで虫を引き寄せ、反り返った雌しべに他からの花粉を運び込ませ受粉します。 
 上の柱頭の反り返った部分が雌しべ群で、それを取り囲むように無数の棒状(下部がピンク)の部分が雄しべ群です。
 ↓開花2〜3日目は雄花として活動。 反り返った雌しべは閉じて受粉できません。 下部のピンクの雄しべから花粉を放出しています。

「雌性先熟性」雌が先に成熟し雄との活動時期をずらし自家受粉を避けているが 下の写真の様に、一つの株に付いている花の咲く時期がズレているため
 自家受粉(自株の他の花から受粉)する確率が高く50%以上の確率で自家受粉しているとの調査報告がある。 
一つの株に付くすべての花が同時に開花し、同時期に雌・雄機能が働かないと自家受粉してしまうのである。  これらは承知の上の策略なのかも知れない。

↓受粉した柱頭部分は↓のような袋果となって、中に赤い果実が実り・・・・・・



・・・・・やがて袋果が裂けて赤い果実が白い糸でぶら下がり、鳥などの採食を待つ。
落ちた果肉の付いた果実は発芽しない。 親木の下で発芽しても競合になるだけである・・・ 鳥に食べられ、糞として出た黒い種子だけが拡散され発芽する
モクレン科の種子は、土の中で20年経過しても高い確率で発芽する。 他の樹木と違って発芽は初夏。 条件(温度・水分・酸素)が揃うと発芽する。
 つまり、葉が茂る時期でも地面に日光が当り、温度が高くなる場所・・・そこは台風などで倒木した森林ギャップである。
ホオノキの幼木が森林ギャップに良く見かけるのは、そのためである。     (通常は数個ずつ垂れ下がる。↓の写真は故意に果実を出したもの・・・)


冬期間、芽鱗(がりん)に守られていた若葉がふくらむ。↓  紅葉の鮮やかさは無いが、ひときわ大きい↓
 
用途:  殺菌作用のある大きな葉は寿司や餅を包んだり、比較的火に強い枯葉は、ほお葉味噌・ほお葉焼きに使われる。
       材は軽く緻密・軟らかで加工も簡単なため、定規や製図板の高級品、家具材、建具材、彫刻材、漆器の素地、下駄など広く用いられている。
     
◆  「ホオノキ」には他の植物の生育を阻害するアレロパシー(他感作用)があり、この影響を受けやすい草や樹木は周りに育ちにくい。
◆  樹木でアレロパシーを持つものは他に「マツ」「クルミ」「サクラ」の調査報告ががある。
最近、ホオノキの樹皮に含まれるマグノロール及びホオノキオールの成分に、ガン転移を抑制する作用があることが発見された。新しい抗がん剤の研究開発
 が望まれている。

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